櫻井先生の『35歳からの「愚直論」。』を読みながら、
吉本隆明先生にうかがった話を思い出しました。
吉本隆明先生は、
若い人たちにとっては
作家のよしもとばなな先生のお父様といったほうが、
わかりやすいかもしれませんが、
詩人で、評論家で、
日本の代表とする思想家、
団塊の世代、
60年代の安保世代にとっては、
神様のような方です。
えーーーーっ!岡村さん、
吉本先生の担当だったの!?!?!?
って見直してくださる方も多いと思いますが、
吉本隆明先生には、
『ひきこもれ』
http://tinyurl.com/yl2oj9c
『超恋愛論』
http://tinyurl.com/yjppnbg
『13歳は二度あるか』
http://tinyurl.com/yhpof8u
の3冊を出版させていただきました。
『ひきこもれ』は今は文庫になっています。
http://tinyurl.com/ygadmsu
その吉本先生に、
編集者として大切なことは何かを
うかがったことがあります。
当時、新卒で入社したしたばかりの部下をつれていったので、
その彼に対してのものだったのですが。。。
吉本先生は、
「編集者に限ったことではありませんが」
「10年続けることが大切だと思います」
とお話ししてくださいました。
……でも、編集者には才能が必要ではないでしょうか?
私は自分の中の不安をぶつけてみました。
先生はいつでも、私のどんな質問にも、
真剣に考えて、言葉を選んで、
答えてくださいます。
そのときも、少し考えて、
「若いときの才能や能力の差というのは、
それほど大きいものじゃない。」
「それよりも10年続けられるか、どうか」
それが一人前の編集者になる道だとを
お話ししてくださいました。
「ただ……」
先生は言葉を続けます。
「10年たったときに、才能の壁にぶつかることはあるかもしれません」
……自分の位置を知ることも大切なことですよね。
一時期、小学校の運動会で、徒競走は全員を一等賞にするということが話題になりました。
実際にそうしているのかはわかりませんが、
私は、いつも運動会はビリでした。
だから、本当に、
ビリになるのって恥ずかしい、です。
でも、
そのことで一週間イヤな気持ちが続いたということもありません。
ビリだったけど
ま、いいか、
と次の日には、元気でした。
頑張れば何もかも手に入るわけでもないし、
それがないといけないとものでもない。
それが才能……なのかもしれません。
みんながTOPになれるわけじゃないし、
TOPでないと生きられないわけでもない。
自分が頑張れるところまでは頑張る、
でも器があることを知る。
そこで腐らずに生きていけるか。
一緒に話を聞いた新入社員は、
その後、別の道に進みました。
そして私も?
愚直に生きるというのは、
一つの会社、一つの仕事にとどまることではなく、
一つの生き方を貫くということであるのかもしれませんね。